CAFC判決

CAFC判決

1999年よりMilbank, Tweed, Hadley & McCloyやVenable | Fitzpatrickと知的財産関連の判例を勉強すると共に、アメリカのCAFC(米国連邦控訴裁判所)の判決をご紹介しています。

Parental Guide of Texas, Inc. 対 Thomson, Inc.事件

No. 2005-1493,2006,9,21-Apr-06

訴訟ロイヤリティの支払を意図した和解契約では、その金額をどのように算出するかを非常に明瞭にしなければならない。例えば、特許法第284条で定めるロイヤリティの概念には、和解に基づくロイヤリティが含まれないため、これを含めたいならば、後に問題とならないように契約書中に明瞭に記述すべきである。

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Glenayre Electronics, Inc. 対 Jackson and PMJ Family Ltd Partnership事件

No. 2005-1168,2006,8,20-Mar-06

製造者が特許侵害品を製造し、顧客に販売し、顧客がこの特許侵害品を使用した場合、(1)製造者による直接侵害(製造及び販売)、(2)製造者による間接侵害(顧客が特許侵害品を使用して直接侵害を行うことに基づく)、及び、(3)顧客による直接侵害(使用)、の3つの侵害が発生する可能性がある。本件では、(1)に対する損害賠償金の支払いがなされた後に、特許権者がさらに(2)及び(3)に対する損害賠償の請求を行え…

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Applied Medical Resources 対 United States Surgical Corp.事件

No. 2005-1149,2006,5,24-Jan-06

本事件では、最初の侵害判決の後に販売した改良品が再度侵害品として認定された場合に、最初の判決に基づく副次的禁反言が適用されるか否かが判断された。CAFCは、最初の事件における侵害品と、それを改良して後に販売された侵害品とは、同一製品とは呼べず、実施料率の基準日となる侵害の開始日が異なることとなる以上、実施料率も当然に異なるものであって、副次的禁反言は適用されないと認定した。

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Stern 対 Trustees of Columbia University事件

No. 2005-1291,2006,5,17-Jan-06

本事件では、発明の着想に対する貢献度に基づき、単なる実験協力者と共同発明者との違いが明確に区別されている。Sternは医学研究アシスタント時代に行った実験に関してなされた特許出願の共同発明者としての地位を主張した。しかし、彼が行った実験は、実験依頼者であるBito教授がそれ以前に行っていたものであって、Stern自身は、実験を行うに当たり、何ら新しい着想を提供したわけでもなく、また実験の着想に至る…

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Aspex Eyewear, Inc. 対 Miracle Optics, Inc.事件

No. 2004-1265,2006,5,10-Jan-06

CAFCは、特許権者が一定期間に特許発明品の製造、使用及び販売の排他的ライセンスを許諾した場合でも、一定期間後は特許権の全てが特許権者側に復帰する点を考慮し、「事実上特許を所有するのは誰か」という観点より、特許権者が特許の全ての実質的な権利を譲渡したことにはならないと認定した。即ち、第三者に期間限定で排他的ライセンスを許諾した場合でも、特許権者は侵害訴訟の原告としての適格を有することとなる。

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Cannon Rubber Ltd. 対 The First Years, Inc.事件

No. 2005-1063,2006,5,28-Dec-05

本事件では、複数実施例を1つのクレームで包含しようとする場合のクレーム表現を取り扱っている。地裁は、クレーム中の限定要素「本体内に配置された隔膜」につき、「~内(~in)」との文言を2通りの実施例の一方に限定するように解釈した。これに対し、CAFCは、単純な非技術用語である「in」の通常の意味では、2つの実施例をそれぞれ包含する概念を有するもので、いずれかに限定されるものではないと認定し、原判決を…

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Invitrogen Corp. 対 Clontech Laboratories, Inc.事件

Nos. 2004-1039, -1040,2006,4,18-Nov-05

米国特許法第102条(g)(2)は、特許を取得しようとする発明について先発明者がいる場合、例え先願であっても特許を受けられないという、先発明主義を規定しています。先発明であるか否かを判断するに際して重要な点は、先発明者がその発明をいつ着想したかということです。本件では、CAFCは、先発明者による着想が実際に着想と認められるためには、先発明者が実際に最初に発明を行い、発明の主題を含む特徴を持つ自身の…

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