Haemonetics Corp. 対 Baxter Healthcare Corp., Fenwal, Inc.事件
No. 2009-1557,2010,8,2-Jun-10クレームのプリアンブルで使用された用語の解釈,この事件は、プリアンブルにおいて用語が明確に定義された場合には、クレームの本文もそのプリアンブルの意味合いに従って解釈されることを明瞭にしました。
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1999年よりMilbank, Tweed, Hadley & McCloyやVenable | Fitzpatrickと知的財産関連の判例を勉強すると共に、アメリカのCAFC(米国連邦控訴裁判所)の判決をご紹介しています。
クレームのプリアンブルで使用された用語の解釈,この事件は、プリアンブルにおいて用語が明確に定義された場合には、クレームの本文もそのプリアンブルの意味合いに従って解釈されることを明瞭にしました。
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公知資料の認定方法,この事件において、Orion IP, LLCが所有する電子カタログによる部品販売方法に関する特許をヒュンダイが故意に侵害したとの第一審の陪審評決に対し、CAFCは、地方裁判所の判決を破棄しました。CAFCは、分別ある事実認定者であれば、ヒュンダイが提出した先行技術からクレームされた方法は公知であったと判断するだろうと判示しました。
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失効した特許の表示が絡む虚偽表示の問題,この事件で、CAFCは特許の「虚偽表示」の要件に、公衆を欺く意図を求めました。そこで、特許権者が特許の失効を認識していたとしても、公衆を欺く意図の有無を調べ、その意図がなければ虚偽表示に当たらないと判断しました。
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親出願の利益をうけるための開示要件,この事件でCAFCは、争点となった広い特許のクレーム範囲がその親出願において十分に記述されていなかったことを理由に、その親出願の出願日の利益を享受できないと判示して、地方裁判所の判決を破棄しました。この事件は、継続出願のクレーム範囲が親出願の明細書に記述されていることの重要性を改めて明らかにすると共に、単に親出願が子出願の広い範囲の主題を減縮していない記載を持つ…
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実施可能要件の程度,この事件でCAFCは、実施可能要件を満足するためには明細書中で適切に実施できる程度までの開示が必要であり、明細書の記載が更なる研究についての方向付けで、後は当業者の知識に頼るような開示では不十分であることを判示しました。
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出願関係者以外にもIDSの義務を負う者,CAFCは発明者・弁護士・代理人のいずれでもない者の、特許の出願過程へ「実質的に関与」し、特許庁に対する誠実義務を負うか否かを判断しました。CAFCは、「実質的に関与」するか否かの決定には知識要件は含まれず、会社における地位、その発明が絡むビジネスへの関与の度合いなどを考慮に入れて判断し、実質的な関与者を広く解釈しました。
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パテントファミリー全体からリキャプチャリングを判断,この事件は再発行特許の審査だけで問題となるリキャプチャリングの判断の範囲を取り扱った事件です。放棄した主題を再発行特許で取得できないことは知られていますが、この事件では、その特許の審査ではもちろん、ファミリーの審査経過全体からリキャプチャリングの無いことを再発行特許の要件としました。この判決は、リキャプチャリングの判断をパテントファミリー全体から…
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特許権者の推定と原告適格、方法クレームに対するBiliski判例の適用について,登録された譲受人がその特許の特許権者であるという推定に異議を唱えるための実質的な証拠は被告が提示しなければならないことを明らかにしました。,共同侵害問題を回避するために1名の実施者による行為だけを要求する手法でCAFCはクレームを解釈しました。最後に、Biliski件の「機械又は変換」基準に関して、クレームの記載に意味…
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サポート要件と実施可能要件,この事件においてCAFCは、米国特許法第112条第1パラグラフによる明細書の記述要件(クレームのサポート要件)を大法廷で審理し、記述要件は、同112条の実施可能要件(enablement requirement)とは別に分離して存在していることを確認しました。アライアドの特許は係争クレームのサポートとなる記述が十分に存在しないことから無効であると認定され、特許を有効とし…
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鑑定を依頼するときの心構えは、重要なことを隠してはならない,この事件でCAFCは、(1)専門家(エキスパート)としての証言を行う条件、(2)対象技術が模倣から出発したことを伝えずに侵害鑑定を依頼した鑑定の効果、(3)米国特許法271条(a)の下で、海外での製品の販売を米国特許の侵害に結びつけるために必要な条件を判示しました。
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